こんにちは。くそおもんない語学系YouTuberのタイトルみたいになってしまったことは反省しています。
最近、嬉しいことに英語学習に関する質問や相談をいただくことが増えました。そんなときに、「一旦これ読んでおいて」って言える資料が欲しいな、と思ったのでこちらの記事を書くに至った次第です。
先に断っておきますが、僕の英語はお世辞にも完璧とは言えません。文法ミスは多いし、語彙力も大してないし、ネイティヴの方の会話を完璧に聞き取ることは難しいです。
ですが、イギリスの地で生活して、仕事して、友達ができて…という、「日本でしていた当たり前の生活」を送ることはできています。この記事は、「3ヶ月も時間があればそれができるだけの英語力はそれなりに身につくよ、僕はこうやって勉強したよ」という内容になっています。
CEFRで見る、過去と現在の英語力
CEFRについて
タイトルを読んで「C1ってなに?首都高速都心環状線?」って思った方がいるかも知れません。思わなかった方はこのブロックは読み飛ばしていいです。
このA2とかC1というのは、CEFR(外国語の学習・教授・評価のためのヨーロッパ言語共通参照枠)という国際標準指標です。英語に限らず、外国語の運用能力を同一の基準で測ることが出来るというもので、全部で6段階に分かれています。

要は「その言語を使って具体的に何ができるか」という形で語学力を表すもので、語学学習界隈では比較的よく使われる指標です。タイトルのA2→C1というのは、「基礎段階の言語使用者から熟達した言語使用者になりましたよ」ってことです。
もうちょっとわかりやすく言うと、B1が日本の社会人平均レベルと言われています。B1レベルの説明文(British Councilより)はこちら。
CEFR B1(自立した言語使用者)
仕事、学校、娯楽などで普段出会うような身近な話題について、標準的な話し方であれば、主要な点を理解できる。その言葉が話されている地域にいるときに起こりそうな、たいていの事態に対処することができる。身近な話題や個人的に関心のある話題について、筋の通った簡単な文章を作ることができる。
余計わからん。日本語A1レベルの僕にとっては難解すぎる。
まあ、「ゆっくり話してくれればとりあえず何言ってるかはわかるけど、会話をしようと思ったら難しい」ぐらいのレベルに思っておいてください。
3ヶ月前…A2:旅行で困らないレベルの英語力
僕が英語の勉強を本格的に始めたのは、昨年イギリスに来てからです。
イギリスに来る前からやっとけよ!って話なんですが、僕は毎年9月1日に夏休みの宿題をやってないことで先生から怒られていたウルトラ怠惰な人間なので、コツコツ努力とかそういうことは全くできません。
そんな怠惰な人間の英語力は、大学受験のときについでに取得した英検2級と、大学1年生のときに授業で強制的に受けさせられたTOEIC400点台前半(もはや細かい点数は忘れました)という散々たるものに加えて、海外旅行で身につけた簡単フレーズを組み合わせた完璧なJTE – Japanese Traditional Englishでした。
このときの僕の各試験のスコアから判断すると、社会人平均レベルのB1の1個下、A2レベルが僕の英語力でした。A2レベルの説明文はこちら。
CEFR A2(基礎段階の言語使用者)
ごく基本的な個人情報や家族情報、買い物、地元の地理、仕事など、直接的関係がある領域に関しては、文やよく使われる表現が理解できる。簡単で日常的な範囲なら、身近で日常の事柄について、単純で直接的な情報交換に応じることができる。
はい、完璧に僕です。旅行とかで困ることはないけど、基本会話とか仕事とかになると全くできない。まさに「簡単で日常的な範囲なら、身近で日常の事柄について、単純で直接的な情報交換に応じることができる」、こんな感じです。
現在…C1:英語で滅茶苦茶困る!ってことはめったにないレベル
そんな僕でしたが、3ヶ月間でC1レベルまで英語力を向上することができました。
C1レベルの説明文はこちら。
C1(熟達した言語使用者)
いろいろな種類の高度な内容のかなり長い文章を理解して、含意を把握できる。言葉を探しているという印象を与えずに、流暢に、また自然に自己表現ができる。社会生活を営むため、また学問上や職業上の目的で、言葉を柔軟かつ効果的に用いることができる。複雑な話題について明確で、しっかりとした構成の詳細な文章を作ることができる。
うーん…できるか?自分で言っててあれですが、あんまりピンとこないです。
現在の僕の英語力をざっくりまとめると、パブで酔っ払ったマンチェスター訛りの英語を話すネイティヴの友達と、「なぜイギリスの飯はまずいのか」「なんでイギリス人はKaizen(改善)って日本語が好きなのに料理はKaizenしないのか」って議論ができるレベルです。みんなまずいと思いながら食ってるらしい。
役に立った・立たなかった英語学習法
では、実際に試してみて役に立った・立たなかった英語学習法を紹介しようと思います。
はじめに断っておきますが、あくまで「僕にとって」「英語を使って仕事・生活をする」という視点でご紹介します。要は英語の「精度」よりも「使えるかどうか」を重視してますよ、ってことですね。
「そんなことない!僕はいいと思う!」とか聞いてないのでわざわざコメントしに来ないでください。
役に立たなかった英語学習法
Duolingo
ガチでなんの役にも立ちませんでした。一つの章やレベルをクリアするのに時間がかかりすぎるし、何度も似たような問題ばかり。反復学習といえば聞こえはいいですが、さっさと終わらせて次に行きたい僕の性格とは相性最悪でした。実際に使う場面がなさそうな問題文も多く、とっつきやすいですが飽きやすい、というイメージです。
強いて言えば「スキマ時間で英語を勉強する」という、学習習慣をつけるためには役に立つかもしれません。
英語字幕でNetflix、Amazonプライムなどを観る
胡散臭いYouTuberが異様に推すListening勉強法。これをやるためのプラグインなんかもあるらしい。
僕には役に立たなかった。
英語字幕つけちゃうと、自然と英語字幕を目で追っちゃうんですよね。「それってもうReadingじゃね?」って思うんですよ。英語字幕ありだと内容は理解しやすいけど、Listeningの勉強にはならないと思います。
あくまで英語のListening力強化の勉強法としては、ですよ。英語に親しむって意味ではめっちゃいいと思うのでおすすめします。
行き過ぎた発音練習
これは特定の、というより、発音練習全般を指しています。
近頃の英会話系YouTuberの動画を見ていると、やることがなくなったのか「きれいな発音を手に入れる方法!」とか「有名人の◯◯の発音は◯点!」とか「◯◯の発音がモテる!」とか、こぞって「良い発音ができることがステイタスであり、全員そこを目指すべき」のようなコンテンツをしばしば見かけます。
はっきり言います。誰もあなたの発音が良いとか悪いとか気にしません。
そもそも、「発音の良し悪し」ってどこで判断するの?って話です。発音記号通りに発音できる、というのが「良い発音」なら、世界中どこ探したって良い発音で話せる人なんかどこにもいません。みんな何かしらのアクセントを持っているからです。
Englishesという言葉で表現されるように、世界中に英語が広がって様々な地域で英語が話されるようになった現代で、そんな時代錯誤のことを言っている旧世代の住人たちの言うことははっきりと無視してやりましょう。
ちなみに、イギリス人の友人にこの話をしたところ「カタカナ英語っぽい日本人のアクセントは結構聴き取りやすい方」だと言ってました。母国語の影響で、Rで巻き舌が入ったりZがきれいに発音できない方は結構いて、そっちのほうがわかりにくいそうです。安心してカタカナ英語を使ってやりましょう。
役に立った英語学習法
ネイティブ、もしくはネイティブレベルの英語力を持った人と話す
できるか!!!!!って総ツッコミが聞こえた気がする。でもごめんなさい。言わせてください。
ほんとこれだけやってれば英語できるようになると言っても過言ではないレベルで強力な学習法です。やっぱりネイティブの方の独特のリズム感や口語表現を理解しなければいけませんし、こちらも瞬時に語彙を考えて文法に当てはめて話して…ってしなければなりません。これ以上の練習法はないです。
なんでもいいです。英会話カフェでも、Web上でランダムに選ばれた人と英会話するでも、なにか英語で運営されている趣味のコミュニティに入るでも。友達とか恋人が作れたら最高です。
ここで肝になるのは、「同じぐらいの英会話レベルの方と話していてもあまり効果がない」ということです。できるだけ自分よりも高いレベルの英語力を持った方と出会えるように頑張りましょう。
ちなみに僕は、イギリスに来てから街中のパブに行きまくり、片っ端から声をかけたりかけられたりしながら現地の友達を増やしていきました。
安くて酒が飲めて英会話の勉強もできる。パブは最高の自習室です。
AIと話す系のサービス
これはサービスによるところがあるので精度は一概に言えませんが、上記の友達が作れなかった場合や特定のシチュエーションの英会話を練習したい(ビジネスシーンなど)場合におすすめです。
僕はChat GPTとGeminiを活用しています。Chat GPTは月額課金して、自分の学習スタイルに合わせてGPTsを作り、シチュエーションを指定して音声認識で会話の練習をしています。
友達はいちいち僕の文法ミスなんか指摘しない(コミュニケーションに大きく影響するレベルのミスなら別)ので、かなり重宝しています。
英語のPodcast視聴(主にBBC Sounds)
Podcastならなんでもいいです。自分の興味のあるジャンルのPodcastを移動時間や作業用BGMに聴いています。今となっては勉強というより普通に趣味として聴いていることが多いです。
Podcastは字幕がありませんし、Listeningした内容を頭で理解し、情報を整理しながら聴かなければいけません。特にビジネスシーンのListeningに役立っていると感じます。
僕はBBC Soundsで聴いています(日本からも普通に聴けます)が、ぶっちゃけ本当になんでもいいので好きなものを聞いて下さい。BBCが制作しているものは全体的に聴き取りやすい発音と速さなのでおすすめします。
字幕なし・英語でNetflix、Amazonプライムなどを観る
字幕ありだと役に立ちませんが、字幕なしであればListeningの練習になると思います。Podcastと違い映像があるので、敷居は少し低いかなと思います。ただ、Podcastと違って口語表現や強いアクセントが増えるので、聞き取りにくい会話は増えると思います。
すでに一度見たことがある映画を字幕無しで見返す、というのはかなり効果があると思います。他にもDisney映画はわかりやすくておすすめです。
読書
「Reading力を上げるためにはどうしたらいいですか?」
本を読め。以上。
小説は読むのに慣れが必要なので、まずは身近なテーマに触れた本から読み始めることをおすすめします。僕はお酒や旅行に関する本を中心に読み始めました。とにかく英文を読むことに慣れるので、生活の中でいきなり英文がドン!って出てきても怖気づかないようになります。
一応注意ですが、いわゆる速読のようなことはしないでください。ちゃんと文章構造を理解して意味を理解する事が大事なので、しっかりと読むことをおすすめします。
おわりに
言語学習は頭が良い悪いに関係なく、とにかく時間をかけることが大事ということは広く知られています。その点で言えば、我々日本人は義務教育の中で自然と英語に触れており、語学習得に使わなければならない時間をすでにある程度消化していることになります。
今回紹介した勉強法の中で、文法や語彙に関する勉強法はあえて紹介しませんでした。なぜならこれらの基礎はすでに義務教育で習得しており、追加の文法や語彙に関しては個別に勉強するものではなく、それぞれの勉強法の中で習得できるものが多いからです。
語学習得に近道はありません。ですが必ずできるようになります。
さあみんな、パブへ行こう。
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