
「ロンドンに行くなら、Kwãntは是非行ってみて欲しい」
銀座でお世話になっているバーのマスターも、イギリスで行ったバーのマスターも、マンチェスターで出会ったカクテル好きなお姉さんも、みんな口を揃えてそう言います。
そんな皆様からの熱い想いを受けて、今回はロンドンの「Kwãnt Mayfair(クウェント メイフェア)」にお邪魔してきました。
「Kwãnt Mayfair」とは
ロンドンのバー業界では知らない人はいない超有名人、Erik Lorincz(エリック・ローリンツ)さんが手掛けるバー。
2019年にオープンするものの、事情により一度閉店(おそらくコロナ関連)。2023年に再オープンし、2024年の「世界ベストバー50」の52位に選ばれる(50と言っておきながら、リストは100位まであるそうです。紛らわしい)など、実力は確かなよう。
エリックさんは日本をリスペクトしているそうで、Kwãntには代々日本人のスタッフが多く在籍しているらしいです。僕が伺った際もお一人日本から修行に来られているスタッフさんがいらっしゃいました。
いざ「Kwãnt Mayfair」へ

Googleマップを頼りにふらふら歩いていると、ちっこい看板を見つけました。
よく言えば上品、悪く言えばわかりにくい。「本当にここであっているよね?」と店の前を数回往復して、中の様子を確かめながら入店しました。
中に入ると、看板からは想像できないゴージャスでエレガントな雰囲気。アンテーク家具がところどころに使われていて、高級ホテルのロビーのようなおしゃれ空間でした。彼女と一緒に来ればよかった!!!と激しく後悔しました。彼女いないけど。

ふと座った席の横の棚を眺めてみると、素晴らしいヴィンテージのお酒がズラリ。カンパリの数十年ものとか、飲んだらどんな味するんだろう…。
ちなみに、この日たまたまこちらのバーにイギリスで有名なコメディアンの方がお客さんとしていらっしゃって、こちらの戸棚からなにか頼んで飲んでました。飲み終わったグラスの香りだけでも嗅がせてくれ!と思いましたが、僕は紳士なのでそのような行動には出ませんでした。
1杯目:EL COMANDANTE
メニューはシグネイチャーカクテル(オリジナルカクテル)とヴィンテージカクテルに分かれていますが、オリジナルカクテルの種類が豊富なので基本的にはそちらから選ぶ形になります。

この日はすでに別のバーに行っていたこともあり、最初からガツンとしたものを飲みたい!ということで、ラムベースの「EL COMANDANTE」というカクテルをチョイス。
Kwãntが位置するMayfairという地区は高級エリア(銀座みたいなイメージ)なので、1杯のお値段は£19(約3,800円)と、一般的なバーの相場と比べるとやや高めな印象。

来ました。見た目はシンプルなロックカクテル。オリジナルカクテルといえど、安易にミクソロジーカクテルのような派手な見た目にしていないのはかえって好印象。こういうのでいいんだよこういうので。
…ただ、味もシンプルでした。ダークラムベースでアンゴスチュラビターズが入っているという時点である程度味は決まってしまうので仕方ないですが、パンプキンシードやパッションベリーの味や香りはどう頑張っても見つからず。僕の味覚がまだ子供なのかもしれませんが、期待していただけに少し残念な印象でした。
2杯目:Kwãnt Bloody Mary

切り替えて違うスタイルのカクテルを飲んでみよう、ということで、Kwãntスタイルのブラッディ・メアリーをチョイス。ちなみに「ブラッディ・メアリー or ブラッディ・マリー、どっちが正しい?」という論争が業界内では存在しますが、「国によってMaryの発音が変わるから、どっちでもいい」が正解らしいです。

東急プラザ原宿の窓ガラスのようなデザインのグラスに入ってやってきました。
上に乗っている泡が特徴的です。これはマスタードを泡状に加工したもので、少し黄みがかっているのがおわかりいただけるかと思います。
飲んでみると、なるほど。確かにトマトの甘味・酸味とマスタードの辛味が良い感じにマッチしています。ブラッディ・メアリーは通常、ゴクゴクっと飲めてしまうぐらいあっさりとした味わいのものが多いですが、こちらはちょっとずつ一口ごとに味わっていきたいと感じます。美味しい。
お値段は£18.5(約3,700円)。
3杯目:WALLET
2杯目のブラッディ・メアリーですっかり上機嫌になった僕は、値段を忘れて3杯目のカクテルを注文。念の為書いておきますが、僕は決して裕福なわけではなく、ただ単に日頃の生活費をオードリー春日も真っ青になるレベルで切り詰めているだけです。全ては酒のため。All for alcohol。

次にチョイスしたのはWALLETというカクテル。味噌を使ったカクテルで非常に人気があるらしいです。カクテルに味噌を使う、というのは日本ではあまり馴染みがないかもしれませんが、海外では結構見かけます。最近は日本のバーでも訪日客向けのカクテルに使うところが増えてきた印象ですね。
味噌は上品は塩味と旨味を加えられるので、カクテルとの相性は結構いいと思います。味噌は一度ミキサーで粒を細かくしてから使うと常温でも溶けやすくなるので、そういう工夫をしているバーも多いですね。

やってきました。ベースはバーボンです。
一口飲んでみると、バーボンの持つ穀物っぽい甘さ、味噌の塩味と旨味、ベルモットのちょっとした苦みを感じ、複雑な味わいを感じます。かといってバラバラでもなく、きちんと一本の味の筋を感じます。パンチが強いわけではありませんが、非常にバランスが取れていてとても美味しい。気に入りました。
お値段は£19(約3,800円)。この時点でお会計は1万円を超えています。今僕は記事を書きながら「こいつなに考えてるんだ!!!もうそこで飲むのやめて今すぐ会計しろ!!!」と叫んでいますが、このときの僕は「どうせ未来の僕が頑張って節約するから大丈夫でしょ」なんて考えてます。ぶん殴ってやりたい。
4杯目:???
もう流石にお会計してお店出よう、結構楽しんだし。満足!と思ったのも束の間。
ずっと対応してくれたお兄ちゃん「是非飲んでほしいカクテルがあるんですけど、どうですか?絶対好きだと思います!」
僕「え!?!?飲む飲む!!!当たり前じゃん!!!」

僕のおバカ。
ちなみに、このカクテルについての情報は一切ありません。なぜなら完全に酔っ払っていて、カクテルの名前も材料も味も香りも全て忘れてしまったからです。本当におバカ。
このおバカはこのあと、完全にベロベロで宿に帰ってそのまま爆睡…ではなく、きちんとこの後別のバーに行ってはしごバーしてましたとさ。おバカ。
まとめ
合計で4杯のカクテルをいただきました。今回試すことができなかったメニューがたくさんあり、こりゃ何度も通わなきゃいけないな…なんて考えつつ、お値段を考えるとおいそれと通えるような場所ではありません。またしっかりと労働に励んで参りたい所存です。
今回の評価は…★3.5です。
良かった点はユニークなカクテルの数々と確かな技術。ひとつひとつのカクテルの完成度が高く、新しいカクテルが目の前にやってくるたびにワクワクします。日本のバーでは味わえない、素晴らしい体験でした。
ただ、絶対に行かないと後悔するか?と聞かれると…、うーん…そこまでではないかな…という感じ。今はロンドンだけではなく、世界各国でこういうスタイルのバーは増えていますし、レベルも上がっていると思います。その中で素晴らしいバーの一つであることは間違いないんですが、なんていうか、ロンドンだったら他の選択肢もあるよね?って感じ。★4以上はよほど感情を揺さぶられたか、忘れられない体験になったかじゃないと与えないようにしようと思っているので、今回は★3.5です。
以上、Kwãnt Mayfairのご紹介でした。


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